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効果の一面のみが強調され、正しく利用されていないダイエット法が多くあります。
それまでの生活で太ってしまったのに、太る原因となった生活習慣を変えずに肥満を解消しようと思うのはそもそも無理な話です。
極端なダイエット法は「楽してやせられる」のではなく、むしろ「太りやすい体」をつくるなど、結果的にはマイナスになることが多いのです。
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1.単品ダイエット |
さまざまな食品による「単品ダイエット」がありますが、いずれも主に単一の食品から栄養素を摂るので、結果として摂取エネルギーが極端に抑えられ体重の減少につながる可能性はあります。
したがって、これらのダイエット法では、体脂肪だけでなく、筋肉が大幅に減ることになります(基礎代謝の低下から、一時的に体重は減っても、その後、逆に太りやすい体になる弊害がある)。
何より、偏った食事のため栄養不足(特にたんぱく質やビタミン、ミネラルといった体に欠かせない栄養素)となり、健康状態の悪化にもつながります。
こうした食事では正しい食習慣が身につかず、一時的に体重が減っても減量した状態を維持するのは困難であること、また、不健康な食事の反動から、そのあとに大量に食べがちになるといったマイナス面もあります。
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2.食品の特定成分の作用を過大評価したダイエット法 |
食品には減量につながる成分を含むものもありますが、こうした食品(あるいはサプリメント)を摂ってさえいれば痩せられると考えるのは誤りです。また、こうした食品にたよる食生活を送っていれば、単品ダイエットと同様に栄養不足を招いたり、トウガラシの場合は胃にダメージを与えるなど、健康上このましくない結果になります。
適切な食事を摂った上で、こうした食品を減量のための補助手段として取り入れるべきでしょう。
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3.ダイエタリー・フード(ダイエット食品)を使うダイエット |
ビタミン、ミネラルなどの栄養素を添加した低カロリー食品(スープ、スナックバー、ドリンクなど)を数日間、毎食または1日数回食べると言うもの。
これも長期間続ければ、結局は栄養が偏る。一生こうしたダイエタリー・フードで暮らしていくことはできないので、ダイエッタリー・フードの中身がどうかというより、正しい食習慣が身につかないことが最大の欠点といえる。
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4.断食ダイエット |
一定期間食事をたつことによって内臓をやすませるというもの。
飢餓状態に陥った体は自然治癒力や免疫力を取り戻し、休んで正常化した内蔵は体内に溜まった老廃物や宿便を排出するという。肥満解消だけでなく美肌効果まで、さまざまなメリットが謳われているが、科学的根拠に欠けるものも少なくない。
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5.食事以外の「まちがい減量法」 |
◎塩もみダイエット |
マッサージで血行をくし、発汗作用をうながすことでやせるというもの。
血行はよくなりますが、それは一時的な効果にすぎません。また発汗作用も得られますが、それは「水分が減った」だけであり、体脂肪が減少したわけではありません。
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◎骨盤矯正ダイエット |
骨盤のいちを整え、動きを柔軟にすることで交感神経が刺激される。それによって特に下半身の血行不良が改善され、やせる効果がもたらされるとされていますが、これも脂肪燃焼につながるわけではありません。
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◎ツボ刺激ダイエット |
「食欲を抑える」「代謝を上げる」「むくみをとる」といったツボを刺激し、減量効果をねらうというもの。血行を促進するなどの効果は期待できるでしょうが、ツボを刺激するだけで痩せられるわけではありません。
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◎やせるクリーム |
肌の表面の細胞を活性化させ、引き締める効果を謳ったものですが、「皮下脂肪」が落とせるわけではありません。
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以上の他にもストレッチングやアイソメトリック運動(動かないものを押すなど、静止したまま力を発揮する運動)などで痩せるとするダイエット法がありますが、そうした方法は体脂肪を減らす効果が低いものがほとんどです。
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