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1.脂肪を落とすために効果的な運動とは? |
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運動すると、血液中の糖分や筋肉や肝臓に蓄えられているグリコーゲンなどの糖質がまずエネルギー源として消費されます。そしてこれらが枯渇してくるとエネルギー源は体脂肪に移ります。この段階で体内に酸素を送り込みながら長時間行える有酸素運動が体脂肪を落とすには効果的といえます。 ウォーキングやジョギング、水泳、サイクリングなどがよく知られている有酸素運動です。 日ごろ運動週間がほとんどなかった人は、いきなりやりすぎると関節痛や腰痛などに見舞われる可能性があります。ジャンプ動作が入るような激しい運動(縄跳び、エアロビクス・ダンス)を中高年の人がいきなり始めるのは、避けたほうがいいでしょう。 とにかく無理をせず、10分とか、20分以上続けられる、ゆっくりした運動であればいいのです。 |
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毎日できるウォーキングのすすめ |
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ウォーキングは場所や時間帯を選ばず、特別な器具を必要とせず、ケガの心配も少ないことから、毎日でもできる有酸素運動としてすすめられます。 また歩く速さや距離次第でその人に合った運動量を調節できるのも利点です。 ただウォーキングといっても、だらだらと歩くのではあまり意味がありません。背筋を伸ばし、両手を大きく振っていつもより少し大またで早く歩きましょう。以下に具体的なウォーキングのポイントをまとめます。 ●どのくらい歩くか? 成人が1日に歩く目安は約一万歩と言われています。消費エネルギーは200〜300kcalに相当し、運動量としても適当です。 ●頻度は? まずは週1〜2回からはじめ、だんだん増やしていきます。ウォーキングは毎日行っても、それが無理なようなら1日おきでもいいでしょう。分割しても、1日で合計30分以上になるようにします。 ●服装の注意 汗をかくことが目的ではありません。厚着サウナスーツは特に必要ありません。特に夏は体温調節の妨げになるので避けるべきです。また、汗をかいても水分が出て行くだけで脂肪が減っているわけではないのです。 |
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歩き方による消費カロリーの違い(体重60kgで計算)
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2.有酸素運動は1日合計30分できればまずOK! |
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体脂肪をおとす運動の継続時間に関して、つい最近まで「定説」がありました。この根拠となっているのは、以下のようなものです。 「短時間の運動で使われるのはグリコーゲン(食事から摂取した、あるいは体内に貯蔵されている糖)で、脂肪は燃やされない。エネルギー源として脂肪が利用されるようになるのは運動開始から15〜20分後であり、したがって脂肪をエネルギー源として使い、体脂肪を燃やして減少させたいのなら、最低15〜20分以上継続する運動を行わなければならない」 この運動生理学の説に基づき、「体脂肪を落とすためには、20分以上続けて行う運動」がすすめられてきましたが、この「定説」が変わってきました。 アメリカ心臓協会(AHA)、アメリカ・スポーツ医学界(ACSM)の最新ガイドラインでは、エアロビックな能力の向上にもこれまでの「20〜60分間継続的に行う運動」ではなく、「1回10分の運動を1日3回」行えばよいとして、より短時間で実行しやすい運動の方法をすすめています。 エアロビックな運動には体脂肪を減らし、肥満を解消するだけでなく、以下のような効果も期待できます。 ●心臓血管系の機能を改善し、動脈硬化や高血圧といった生活習慣病を防ぐ。 ●心肺機能を高めて持久力をつけ、体力を高める。 また、健康な体を維持するためにウエイト・トレーニングが重要であることも、前述のアメリカの2団体は指針として出ています。 |
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3.有酸素運動の強度は高いほどいいわけではない |
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ウォーキングよりもジョギング、平泳ぎよりもクロール、自転車こぎもゆっくりより早く漕いだほうが、たくさん汗をかき、たくさん脂肪が燃えると思っていませんか? この答えは必ずしもYESではありません。確かに有酸素運動の強度が上がると、時間当たりの消費エネルギーは上がります。しかし、消費エネルギーは運動時間が長いほど多くなることを考えれば、強度は低くても長く続けられる運動であれば十分に効果はあります。 また、強度が高すぎると有酸素運動が無酸素運動になり、脂肪がエネルギー源として利用されなくなってしまいます。こうなると酸素を使わず、グリコーゲンを乳酸に分解しながらエネルギーを作り出すのですが、乳酸がたまるとすぐに疲れて、運動を継続できなくなります。 一般的に20〜30分の有酸素運動を健康・体力アップの目的で行う場合、最大心拍数の50〜80%を目標心拍数とし、この範囲内の強度で運動することがすすめられています。 |
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目標心拍数の目安を知る |
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●目標心拍数を知る ウォーキングなど有酸素運動では、運動強度の目安とするために「目標心拍数」が用いられます。心拍数を一定レベルにまで高めて運動を継続するためですがね日常10分間のウォーキングでは特に心拍数をきにせず、まずは歩くことを、さらには「より速くあるくこと」がすすめられます。しかし本格的なウォーキングにチャレンジするような場合、以下のことも知っておくと、より効果的に有酸素運動を行うことができます。 一般的に20〜30分の有酸素運動では、健康・体力アップの目的では最大心拍数の50〜80%を目標心拍数として、この範囲内で運動することがすすめられます。体力レベルの高い人はこの範囲の上限に近いレベルで行うと、より効果をあげることができます。また体力レベルの低い人は、下限レベルで行うと、安全にムリなく効果が得られます。 ●目標心拍数の求め方 最大心拍数(220−年齢)*目標とする運動強度 たとえば、30歳の人が最大心拍数の60%で運動する場合、目標心拍数は次のようになります。 (220−30)*0.6=114(拍/分) 心拍数は手首か首で脈拍をとり、6秒間の脈拍数を10倍する方法で求められます。 |
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4.運動を習慣化する |
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「日々の雑用に追われて、運動する時間の確保がままならない」「意志が弱いのでいつも3日坊主」----そんな人が運動習慣を身につけるには、まず「かたち」から入るのもひとつの方法です。 その代表的な例がスポーツ施設の会員になってしまうことです。スポーツジムやフィットネスクラブでは、さまざまな利用者の便宜を図るためさまざまな制度を設けていて、週末会員、夜間会員、早朝会員など、仕事をもっている人には使い勝手のいいものがあります。また、インストラクターとのコミュニケーション、同じ目的をもって集まってきた人たちと仲良くなることも、運動を継続するための要素になります。 |
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体脂肪を落とすこと以外に得られる運動の効果 | ||||||||||||||||||||||||||||||||
ウエイト・トレーニングによる筋肉づくりの重要性は見逃されがちですが、基礎代謝を維持したり、高くする効果が高いのでダイエットにおいてとても重要です。 体脂肪を落とす以外の運動効果はほかにもたくさんあります。 ○心臓病や高血圧、糖尿病などの生活習慣病の予防・改善になる。 ○免疫機能を高め、感染症などにかかりにくくなる。 ○さまざまな病気のもとになるストレスの解消。 また、中高年になってくると(特に女性は)、骨粗鬆症の問題が出てきますが、ウエイト・トレーニングによって筋肉や骨に負荷をかけると、骨密度を高める効果があることから、骨粗鬆症の予防・改善にもつながるといわれています。 |
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5.忙しくてもエクササイズはできる |
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仕事や家事で忙しく、なかなか運動の時間が確保できないという声をよく聞きます。しかし、本当に運動の時間は作れないのか、作っていないだけではないかを、まず自分に問いかけてみましょう。運動の時間を作るポイントを以下に紹介します。 ●優先順位を低くしないこと 他の雑務に追われて「あと回し」にならないよう、トレーニングの優先順位をなるべく高くおきます。あらかじめ1日の予定に組み込んでしまうとよいでしょう。 ●周囲の理解を求める 運動する決意を周囲に伝えておきましょう。周囲が理解してくれていると時間はより作りやすくなります。また、宣言することで「有言実行」の意識が働きます。 ●ちょっとした時間を利用する 例えばきっちり1時間を確保するのは無理でも、通勤時間や家事、テレビを見ながらできることはあります。常に運動しようという意識を持つことで、生活のちょっとしたシーンを利用できるようになります。まとまった時間で有酸素運動がしたいのであれば、いつもより早起きする曜日を決めて実行するのもいいでしょう。 |
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日常動作の消費エネルギーは? |
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6.筋力トレーニングは何歳でもできる |
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加齢とともに、体の身体能力は低下し、日常の活動に支障をきたしてきます。いつまでも若々しく活動的であるためにも、筋肉を鍛えることは大切です。 筋力トレーニングはその人の筋力レベルに合わせて、負荷が調節できるため、中高年や高齢者でも実行できます。 中高年以降でも筋力トレーニングを行うことによって、老化と共に衰える機能を改善、向上させます。拳靭帯、関節も強くなり、骨密度を高める効果もあります。いつ始めても遅すぎるということはありませんが、中高年の人が筋力トレーニングを行う場合は無理のない範囲で行ってください。 |
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