体脂肪の合成を阻害、さらに分解を促進する
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ガルシニアは熱帯産の果実酸味をつける高級スパイス ガルシニアは、東南アジア原産の熱帯果実の一つ。果物の女王と呼ばれるマンゴスチンの仲間で、実は甘酸っぱい風味があり、熟した実をそのまま食べることもあります。 インド南西部やタイでは、果皮を乾燥させて粉末状にしたものをスパイスとして料理に用います。ガルシニアの香辛料としての別名は「タマリンド」。カレーやトムヤムクン、魚料理に酸味をつける高級スパイスとして珍重されています。 その酸味は魚の保存料としても用いられ、インドでは1000年以上前から食文化に融け込んでいたとされています。 ガルシニアという名前は、この薬草に注目したスイスの植物学者ローラン・ガルシンに由来しています。 インド南西部では古くから民間薬として活用 インド南西部では、ガルシニアは「酸っぱい果実=カッチャプリ」と呼ばれています。インドの古典医学アーユルベーダでは、ガルシニアの酸味が消化を助けると考えられ、胃炎や消化不良の特効薬と位置づけられていたようです。また、食中毒やできものの治療に役立つ薬草としても活用されてきました。 さらに、南インド地方では、ガルシニアの酸味をきかせた料理を食べると、「少量でも十分に満腹感が得られる」と、昔から言い伝えられています。 ダイエット食品としてアメリカで大ブームに ガルシニアの有効成分は、果皮に含まれているヒドロキシクエン酸(HCA)です。ガルシニアの酸味のもとで、クエン酸によく似た構造をしています。 当初、スイスの製薬会社が肥満防止に役立つ成分としてガルシニアの研究開発に乗り出しました。その後、アメリカでガルシニアがダイエット食品として売り出されると、大ヒットを記録しました。 アメリカでブームに火をつけたのは、元ミス・アメリカにも選ばれた女性です。彼女がガルシニアを使ったダイエットに成功したことが伝えられると、スーパーモデルにも愛用者が続出。ダイエットに役立つ機能性食品として、アメリカで広く知られるようになりました。 その人気ぶりは海外にも飛び火して、韓国でも2〜3年前からガルシニアがブームになり、これまでに発売されたダイエット食品の中で、最高の売上高を記録しています。
有効成分HCAが、脂肪を合成する酵素の働きを抑える 私たちがごはんやパンなどから摂っている糖質は、体を動かすエネルギーとして使われます。そのエネルギーを生み出しているのは、細胞の中のクエン酸回路(TCAサイクル)。ここはエネルギーの生産工場のようなもので、糖質や脂肪などを燃やしてエネルギーをつくり出しています。 食事で摂った糖質は、消化吸収されて細胞内に運ばれます。そしてクエン酸回路の中で燃やされて、エネルギーにかえられるのです。 しかし、エネルギー源となる糖質が余分にあると、脂肪につくりかえられ、溜め込まれてしまいます。燃え残ったものはクエン酸となり、このクエン酸に酵素(ATPクエン酸リアーゼ)が働いて脂肪合成が始まります。そして、次々に脂肪が蓄積されてしまうのです。 ところが、ここにHCAがあると、この流れにストップをかけます。クエン酸に非常によく似た構造をしているHCAは、クエン酸の代わりに酵素と結びついて、脂肪合成を抑制してしまいます。 すると、余った糖質は脂肪にかわることなく、すぐに取り出せるエネルギー源である「グリコーゲン」となって、筋肉や肝臓に蓄えられるのです。
蓄えられた脂肪をどんどん分解する働きも HCAには、体脂肪の分解を促す働きもあります。余った糖質が脂肪に合成される過程で、通常クエン酸から「アセチルCoA」さらに「マロニルCoA」という成分に合成されていきます。マロニルCoAが多くなると、「エネルギー源がたっぷりある」と判断され、脂肪の分解を抑える信号が出され、脂肪の分解にブレーキがかかります。 しかし、HCAを摂ると、その流れが途中でストップするわけですから、結果的にマロニルCoAが少なくなります。そうすると逆に、脂肪分解を促進する信号が出て、脂肪の分解が促進されるのです。 つまり、HCAを補っていれば、余ったエネルギー源から脂肪がつくられるのを防ぐこともできますし、これまでに蓄えられた脂肪を分解してエネルギー源として燃やすこともできます。HCAはこの二重の働きで、体脂肪の減少に役立っているのです。 内臓脂肪の減少により高い効果が 体脂肪は、皮膚のすぐ下の皮下脂肪組織と内臓の周囲に蓄積されます。このうち生活習慣病を招きやすいのは、内蔵周囲に溜まった脂肪です。 HCAの体脂肪減少効果を調べた臨床試験では、内臓脂肪への効果がより高いことから明らかになりました。 まず、女子大生40人にHCA250mgを含むガルシニアエキスを1日1回、3ヶ月にわたって取り続けた実験では、HCAを摂ったグループで皮下脂肪が平均2.7%、内臓脂肪は平均4.9%減少しました。 しかし、HCAを摂っていないグループは変化がありませんでした。
運動を併用すれば脂肪燃焼をさらに促進 先ほどの女子大生の臨床試験では、運動を加えることで、さらに脂肪の燃焼が促されることがわかりました。 実験では1日250mgのHCA摂取に加えて、1回1時間、週3回、ゆっくり水泳をして、3ヶ月続けた結果、皮下脂肪が平均9.8%、内臓脂肪が平均11.4%減少しました。つまり、3ヶ月で一割近くの体脂肪が減少し、HCAを摂るだけより、2〜3倍のスピードでダイエット効果が得られたのです。 また、運動は20分以上まとめて行なうと一般にはいわれていますが、一日のうちで5分、10分と短い時間を積み重ねた運動でもかまいません。 さらに、HCAの摂取によって持久力の高い、疲れにくい体にすることも可能なのです。
1日250〜1000mgを体を動かす前に摂取 HCAはエネルギーが燃やされるときに有効に働く成分ですから、1日の活動を始める前に補給すると効果的です。朝食時に摂って、通勤や通学時に歩いたり階段を上がり下りすることで、脂肪の燃焼が促されます。運動前はもちろん、外に出かける少し前や、家事などで体を動かす前なども、よい摂り方です。補給後30分から1時間で吸収され、約4時間効果が持続します。 また、食品としての安全性を確認する試験では、3000mgを3ヶ月間摂り続けても、まったく問題はなく、極めて安全な食品と言えるでしょう。 トウガラシやL−カルニチンを組み合わせると、相乗効果が トウガラシに含まれている辛味成分カプサイシンには、蓄えられた脂肪を、燃えやすい形(脂肪酸)に分解する働きがあります。リーカルニチンは、分解された脂肪酸をミトコンドリアの中に取り込んで、TCAサイクルに運び入れます。 どちらも脂肪の燃焼に役立つ成分ですが、動物実験でHCAと組み合わせたところ、短期間では、ラットの運動能力が高まり、長期間では体脂肪の減少に効果が見られました。 HCAと一緒にトウガラシやL−カルニチンを摂ると、体脂肪の燃焼を高めることができます。 HCAと運動を併用したり、ほかの成分と組み合わせるなど、賢いダイエットを実現してください。 |
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