カルシウムナなどのミネラルの吸収と保有を高める
|
|||||||||||||||||||||||||
「産官学」の共同研究から誕生した注目の成分 ツイントースは、8年ほど前に北海道大学農学部の冨田房男教授が大量製造法を確立したオリゴ糖の一種です。当時すでに、オリゴ糖が大腸で発酵すると、カルシウムなどのミネラルの吸収を促進することがわかっています。ツイントースにもこの働きがあるのではないかと実験したところ、これが見事にカルシウムの吸収を促進。しかもその効果は、ほかのオリゴ糖よりも飛び抜けて高いものでした。これは面白いと、ツイントースの本格的な研究に着手したわけです。 その後、ツイントースの研究は国の科学技術振興機構による研究課題の一つに選ばれて、「産官学」の共同研究が進められることになりました。ミネラルの吸収を高める成分の開発は重要で実用性もあるとして、国も推進に力を注いできたのです。そして、地域結集型共同研究事業として全国初の実用化に至り、製品化されたツイントースは高い評価をえています。
オリゴ糖の仲間でありながら性質の異なる「不思議な成分」 ツイントースの原料は、洋野菜のチコリの根から抽出された食物繊維のイヌリンです。この水溶性の食物繊維を酵素で処理して、精製したものがツイントース。天然の野菜を原料とした安全性の高い成分だと言えます。 ツイントースは、消化も吸収もほとんどされない難消化性の糖類で、オリゴ糖の仲間です。ところが、このツイントースは、その形からしてちょっと変っています。通常の糖(二種類)は、二つの単糖分子が1本の手で結ばれる構造をしているのですが、ツイントースは2本の手で結ばれています。このがっちりと手を組んだ安定した構造に、ツイントースの大きな特徴があります。 性質も、普通のオリゴ糖とは異なり、カルシウムなどミネラル吸収を格段に高める働きが見られます。この新機能が日本人のミネラル不足解消に役立つのではないかという期待が高まっています。
ミネラルの通り道を広げ小腸での吸収を促進 体内に入ったカルシウムなどのミネラルは、胃の酸で溶かされて小腸に入ってきます。小腸の吸収には二つのルートがあります。 一つ目は、腸壁の上皮細胞の中を通り抜ける「能動輸送」、二つ目は細胞と細胞の間のすき間、ちょうどタイルの目地のような”タイトジャンクション”と呼ばれるところを通って、吸収される「受動輸送」です。 ツイントースは腸壁の細胞に信号を送って、ミネラルがタイトジャンクションを通りやすくします。その結果、細胞のすき間をミネラルが通り抜けて、小腸での吸収が高まると考えられています。
さまざまな働きかけで、大腸の吸収をアップ 大腸では、まずツイントース自体が腸内細菌によって発酵されることで酸をつくり、不溶性のミネラルを溶けやすく吸収を高めます。この働きは、ほかのオリゴ糖と同じです。また、ツイントースには大腸の粘膜を増やして吸収力を高める作用があることが、実験で確かめられています。ミネラルを吸収する粘膜の表面積を広げて、吸収を高めているわけです。 そして、最近の研究では、大腸発酵でできた酸が大腸の細胞に働きかけて、ミネラルの吸収を促進していることも明らかになってきました。 さらに、ツイントースには大腸の血流を早める作用があることもわかってきました。血液の流れが速まれば、吸収されたミネラルが運ばれていくので、吸収力が高まると考えられています。 小腸と大腸の両方でミネラル吸収を高めるのは、ツイントースならではの特徴です。カルシウムと一緒に摂ると、約1.4倍吸収が高まるということが、ヒトの試験で明らかになっています。 また、女性に不足しやすい鉄についても際立った効果がみられました。鉄の場合、ラットの試験での結果ですが、ツイントースが大腸で、より吸収を高めていることがわかりました。ほかにも、マグネシウムや亜鉛の吸収促進が確かめられています。 カルシウムを体内に留めて骨を丈夫にする カルシウムなどのミネラル吸収率が高まっても、体内で有効に活用されなくては意味がありません。 摂ったカルシウム量と体外に排泄されたカルシウム量の差を調べると出納試験では、ツイントースを一緒に摂ると体内保留率が約6倍も高まったというデータが得られています。 体内でカルシウムが貯蔵されているのは、骨です。運動が骨を強くすることは知られていますが、運動とツイントースを組み合わせた動物実験では、骨密度が上がって骨自体が強くなることが確かめられました。ツイントースを加えることで骨をより丈夫にすることができるのです。 また、貧血で走れないラットにツイントースを与えると元気に走るようになりますが、これもツイントースで鉄の吸収が高まって、貧血が改善されたためと考えられます。
イソフラボンの働きをバックアップする 女性は更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下して、骨密度が急激に低下します。これはエストロゲンに、骨形成を促す作用があるからです。このため更年期以降の女性は、骨粗鬆症を発症するリスクが高まります。 大豆イソフラボンにはエストロゲンのように働く作用がありますが、一緒にツイントースを摂るとイソフラボンの作用が強まることがわかってきました。 ツイントースは、骨にエストロゲンのように働いて強く丈夫にする働きがあるイソフラボンの作用を強めます。また、大豆イソフラボンのコレステロール低下作用も強めます。つまり、ツイントースはイソフラボンの健康維持に役立つよい働きだけを強めてくれるのです。 まだまだ可能性は多い、現在も研究は進行中 坑酸化作用などのあるポリフェノールやフラボノイドの吸収を高める作用があることも、次第に明らかになってきています。ツイントースはミネラル吸収促進作用以外にも、さまざまな可能性を秘めた成分だと思います。現在いくつかの研究が進行しています。
食品からは摂りにくい成分、サプリメントで利用 ツイントースはチコリの根から取れる水溶性の食物繊維を、酵素で処理・精製した希少な糖質で、食品からは摂りにくい成分です。サプリメントなどを利用して、牛乳などのカルシウム豊富な食品に溶かして飲むと、牛乳のカルシウムの吸収が一段と高まります。 また、ツイントースは低カロリー。血糖値の急激な上昇を抑える働きがあり、血糖値に影響を与えません。糖尿病などで食事制限をしている方、またはダイエット中の方にも向いています。しかも安定した構造で、熱に強い物質なのでシチューなどの煮込み料理にも利用できます。 さらにキリシトールなどと同じように、虫歯菌(ミュータンス菌)のエサにならない性質があり、虫歯の気になるお子様にも適しています。カルシウムや鉄、マグネシウム、亜鉛などのサプリメントと併せて摂ると、より効果的にミネラルを吸収できます。
摂り続けることで大腸での吸収力が高まる 毎日とり続けていると、最初の3日間ぐらいは軟便がでることもありますが、4〜5日目には腸内細菌がツイントースに慣れて普段の状態に戻ってきます。摂りすぎるとお腹がゆるくなるので注意して下さい。そして、1〜2週間摂り続けると大腸のミネラル吸収能力が高まってきます。
|
|||||||||||||||||||||||||